FIA-NEWS6月号-ISSUEフィットネス関連ニュース(2023/6/12)
ランニングの習慣化、意志頼み脱し生活行動とセットに
いつでも気軽に楽しめるランニングは日常生活に採り入れやすい。健康を気遣って新年度から走り始めた人も少なくないだろう。だが半年、1年と継続することは思いのほか難しい。習慣として定着するには意志だけでなく具体的な手立てが必要になる。
米ハーバード大学公衆衛生大学院で博士号を取得し、健康習慣に関する著書を持つ公衆衛生学者の林英恵さん(Down to Earth代表取締役)によると、習慣化には①決意②行動③行動の繰り返し④習慣の形成――という4つのステージがある。努力と思わず、ルーティンになるまでの期間は人や行動のタイプによってばらつきがあるが平均で2カ月、研究によっては8カ月。いずれにしてもそれなりの時間や労力がかかる。「習慣を変えたいと思っても、その半分しか根付くまで実行できないというエビデンス(科学的根拠)がある」そうだ。
習慣づくりは最初が肝心。まずはウオーキングから始めて徐々に時間を延ばしていくことが常道だが、「週4、5回は走るなど習慣化には頻度を高めに設定した方がうまくいく」。同じルートを繰り返し走れればベターだが、飽きてしまう人は事前にいくつかのコースを設定し、気分で選んでもいい。コースを考える負担をなくすことがポイント。
皿洗いをしたら走るなど、日々の行動に走ることを組み合わせるのも継続のコツだ(3月の東京マラソン)=共同。
ランニングが生活の一部になる過程では挫折しそうになる時もある。日々の仕事に追われている時はその典型だ。「一日くらい休んでも……」という気持ちが離脱のリスクを高める。「ストレスが多いと習慣を形成しようとしても意志の力が働かなくなる」という。
1度のスキップは許容できても2度、3度と続くと早々の離脱が現実味を帯びる。林さんは「サボりたい」と思うパターンを遡って把握しておくことが大切だと説く。睡眠不足や疲労、ストレス、食事バランス……。原因が分かっていればあらかじめ気を配り、策を打つことができる。
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