一般社団法人 日本フィットネス産業協会

Library

WTP(支払意思額)と 総合型クラブの提供価値の再定義 (後編)

FIA-NEWS10月号(2026/10/15) TOPICS記事より

WTP(支払意思額)と 総合型クラブの提供価値の再定義(後編)

2026年7月9日(木)13:00〜14:30

 

《パネリスト》
妹尾 有信 氏
株式会社ティップネス  経営マネジメント本部シニアコーディネーター
上柿 仁司 氏
コナミスポーツ株式会社 執行役員 施設事業本部 本部長
伊藤 裕久氏
ベストパートナー株式会社 常務執行役員

《ファシリテーター》
松村 剛
一般社団法人 日本フィットネス産業協会 事務局長

 

24時間ジムなどとの価格差が意識されるなか、総合型クラブが提供する価値を理解してもらい、対価として適正な価格を受け入れてもらうには、単純な「値上げ」ではなく、価値を高めたうえで価格につなげることが重要になる。

後編では、WTP(支払い意思額)を軸に、価格改定の許容範囲や、値上げに先立って取り組むべきバリューアップについて議論する。

 

総合型クラブだからこその価値とは?

松村 次のクエスチョンに入っていきたいと思います。「総合型のクラブだからこそ提供できる価値とは何か」ということについて、皆様にご意見をいただきたいと思います。

 総合型クラブの価値(図8)について簡単に整理すると、例えばお客さまには、「ウェルビーイングな状態になりたい」というニーズがあります。身体的・精神的な健康だけではなく、特に社会的な健康、つまり誰かとしっかり関わっていきたいというニーズです。そうしたお客さまに対して、総合型クラブには専門的な人材がいて、同じ価値観を持つ人たちが交流できる場があります。ラウンジなど、コミュニケーションを取れる場所があることも強みです。また、「自分に合ったコンテンツを探したい」というニーズもあります。ジムがいいのか、グループエクササイズがいいのか。さらに、専門的なアドバイスも受けたいというお客さまもいます。こうしたニーズに対して、総合型クラブには多様なプログラムがあります。また、比較的受け身でも、自分に合ったものを提供してもらえるという点も、総合型の強みではないでしょうか。さらに、仲間との会話やコミュニティへの参加という価値もあります。コミュニティの場をつくることに力を入れている総合型クラブも多いと思います。

 一方で、これまで24時間ジムなどを利用した際に、何となく放置されているような疎外感を感じたり、「自分にはついていけない」と感じたりすることもあります。グループエクササイズでも、周りについていけず、なかなか馴染めない。そうした孤独感が、継続を難しくする要因にもなっていると思います。その点、総合型クラブは、しっかり取り組めば初心者をサポートできます。グループエクササイズでも、レベルに応じたプログラムを用意することができます。また、先ほどのお話にもありましたが、お客さま同士のマナーや施設の利用環境をクラブ側がしっかりとコントロールすることも、総合型クラブだからこそ提供できる価値だと思います。こうしたことを前提に、今だからこそ総合型クラブが提供できる価値とは何か(図9)。この点について、お三方にお伺いしたいと思います。

図8

 

〇地域の課題を解決

上柿 一言で言うと、今の時代に合わせて、地域課題を解決するためのサービスを、その施設でしっかり提供できる可能性があることが、総合型クラブの大きな価値ではないかと思っています。

 ポイントは2つあります。1つは、そうした可能性を持つ「箱」、つまり空間があること。もう1つは、人材、つまり人を持っていることです。この2つをいかに掛け合わせていくかが重要なのではないかと思っています。先ほど伊藤さんがおっしゃっていたように、小さなお子様から、今では100歳に近い方、あるいは100歳を超える方までお越しいただいているというのが、総合型クラブの一つのイメージになっています。ただ、それだけではなく、ライフステージごとにさまざまなサービスを提供できることが、総合型クラブの強みだと思います。例えば、お子様には発育・発達に対するアプローチ、その保護者の方には子育てに関するケアがあります。若い方にはボディメイクやダイエット、子育て世代には、そのライフスタイルに合わせたサービスがあります。さらに今後は、健康寿命の延伸という観点から、高齢者向けのサービスにも、よりフォーカスしていく必要があると思います。そこでは、運動だけではなく、さまざまなコミュニティづくりも重要になってくるでしょう。

 つまり、「総合型」という枠にとらわれるのではなく、ライフステージに合わせたさまざまなサービスを、その地域の特徴に合わせて、いかにフィットさせていくか。そこに、総合型クラブの大きな価値があるのではないかと考えています。

図9

上柿 仁司氏 コナミスポーツ株式会社 執行役員 施設事業本部 本部長

 

記事を最後まで読むためには、会員ログインが必要です。

会員ログイン

※ 新規登録はFIA会員企業・団体所属の方に限ります。
※ 会員企業・団体所属の方は企業管理者様へお問合せもしくは、「新規アカウント登録はコチラ」をクリック。
※ ご自身の所属されている企業・団体が、FIAへ加盟しているか確認されたい方は
「正会員はコチラ」「賛助会員はコチラ」で検索いただけます。

 

 

シェアする: