健康経営で企業価値の向上、 ビジネスの延伸を
FIA-NEWS3月号 (2024/3/11)
健康経営で企業価値の向上、ビジネスの延伸を
各社様に於かれては従業員の健康維持増進に積極的に取り組まれていることと思います。また、フィットネス事業者としての強みを活かし、企業の健康経営サポートを事業として既に展開している、或いは今後そうした展開をお考えの企業様も少なくないと思います。
FIAでは、加盟企業各社様の事業活動の延伸に活かしていただくことを目的に進めている『全国カラダ年齢測定フィットネス体力テスト』の活用も視野に、企業が従業員に投資することの意義など、健康経営の考え方を改めて確認すべく、健康経営優良法人認定事務局の宮本一久様に解説記事を寄せて頂きましたので、以下にご紹介します。
健康経営が果たす役割と発展途上の現状
健康経営とは、経営者が従業員の健康を経営上の重要な資源と捉え、健康増進に取り組む経営のことです。従業員の健康づくりを通じて組織が価値の向上を目指すものと言い換えられます。
経営者自らはもちろん従業員への健康投資を積極的に行うことで、組織全体の活力や生産性の向上が期待できます。また、従業員は自分たちの健康に留意してくれる組織にエンゲイジメントを高め、離職率の低下につながるほか、大切な人材の健康被害などによる離脱を防ぐことにもつながり、持続可能な組織を実現します。
こうしたことが積み重なると業績や株価上昇に繋がるものとして、また従業員を大切にする組織として投資家や取引先などから評価を得ることができ、価値の向上につながっていきます。人的資本経営という言葉がいま注目を集めていますが、まさに人的資本経営の土台となる経営手法と言えます。
健康経営は、中小企業を中心に喫緊の組織課題として常にあげられる従業員採用対策のためにも多くの企業で取り組まれ、効果が確認されています。
2023年9月に行われた日経リサーチによる「就活生・転職者に関する調査(n = 900)」では、「心身の健康を保ちながら働ける」「人間関係が良好である」「仕事内容にやりがいがある」といった企業に勤めたいという回答が上位に集まり、いま就活生・転職者が従業員の健康に配慮する組織を求めている傾向にあることがわかりました。
さて、日本経済新聞社(健康経営優良法人認定事務局)では、令和4年度から経済産業省補助事業者として健康経営優良法人認定制度(※)の事務局運営業務を担っています。
2024年3月現在、認定を申請する企業は約2万社に上り、認定法人で勤務する従業員は約837万人、これは日本の被雇用者の約15%にのぼります。この数字は年々増加傾向にあり、今後も健康経営に取り組む企業が増えることが予測されており、いつかは健康経営に取り組むことが当たり前になる社会がやってくるかもしれません。
ただ、増加しているとはいえ、日本には企業が330万社以上あるといわれており、まだ多くの企業が健康経営に取り組んでいないのが現状です。
企業間競争が激化する昨今においては、いち早く健康経営に取り組み、自社の従業員にも顧客にも健康経営の普及啓発を行うことで、フィットネス産業に関わる企業が自社ブランドを確立し、市場における優位性を獲得することができる状況にあるといえます。
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