一般社団法人 日本フィットネス産業協会

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未病から再発予防まで ~医療とフィットネスをつなぐ医師の役割~

FIA-NEWS2月号(2025/2/16) TOPICS記事より

FIA新春基調講演
未病から再発予防まで ~医療とフィットネスをつなぐ医師の役割~

2026年1月23日(金)

《パネリスト》
二階堂 暁氏 八王子みなみ野心臓リハビリテーションクリニック院長

《ファシリテーター》
長阪 裕子氏 株式会社フィグメント事業開発
吉田 正昭氏 一般社団法人日本フィットネス産業協会専務理事

1月23日(金)、日本フィットネス産業協会では例年通り、新春恒例の賀詞交歓会を開催。第一部では、八王子みなみ野心臓リハビリテーションクリニックから二階堂暁院長をお招きし新春特別講演を行っていただいた。

そこで、今回の巻頭トピックスでは、その講演内容についてあらためて紹介する。心臓リハビリテーションの現状と課題、八王子みなみ野心臓リハビリテーションクリニックでの取り組み、医療とフィットネスの連携やメディカルフィットネスの可能性などフィットネス業界への具体的な提案、さらには実際に二階堂院長が行っている連携促進の取り組みや直面している課題までをご紹介いただいた。

司会 本日はお忙しい中、私ども日本フィットネス産業協会、FIA2026新春基調講演にお集まりいただきまして、ありがとうございます。これから1時間にわたってセミナーを開催させていただきますので、よろしくお願いいたします。それでは、私どもフィットネス産業協会専務理事の吉田より、ご挨拶させていただきます。よろしくお願いいたします。

吉田 皆さま、こんにちは。本日のテーマをご覧いただいて、ワクワクしませんか? 20数年前に健康増進施設の仕組みができて、我々も一斉に参画していったわけですが、なかなか運営と運用がうまくいかず、広がりが出ていきませんでした。

 医療と我々フィットネスの関連性は極めて重要なテーマです。今の日本の社会を考えると、高齢化がさらに進む中で、健康な体を維持し病気を未然に抑えていくこと、早期に対応することは極めて重要なことだと思います。

 今回はスポーツ庁時代にお世話になった長坂さんから二階堂先生のご紹介を受け、先生のお考えを聞いて、とても胸がワクワクしました。ようやくこんな時代が来た、と。医師会全員がこの考え方ではないとは思いますが、二階堂先生を筆頭に、このような考え方がより広がっていくように、本日のセミナーを有効にご活用いただきたいと思います。

 二階堂先生の紹介は、長阪さんよりいただきます。よろしくお願いします。

 

二階堂暁先生のご紹介

長阪 本日はこのような場をいただきまして、どうもありがとうございます。私は元スポーツ庁健康スポーツ課で健康体力づくり係長をしておりました、長阪裕子と申します。

 私はスポーツ庁時代に、スポーツと医療とを連携させて、日本中の誰もが、たとえ病気をわずらっていても、スポーツを楽しめる世の中をつくりたいということで活動していました。そこからのご縁で、このような機会を吉田様からいただきました。

 僭越ながら簡単ですけれども、二階堂先生のご紹介をさせていただきます。二階堂先生は岡山県出身で、岡山大学医学部をご卒業されました。その後、循環器の専門医として数々の病院等でご活躍され、現職は東京·八王子にあります八王子みなみ野心臓リハビリテーションクリニックの院長を務めいらっしゃいます。また、日本循環器学会の循環器内科専門医や日本心血管インターベンション治療学会の認定医、日本心臓リハビリテーション学会のリハビリテーション指導士、日本スポーツ協会公認スポーツドクター、そして日本メディカルフィットネス研究会の委員など、スポーツと医療をつなぐ医師としてご活躍されています。 

 それでは、二階堂先生、どうぞよろしくお願いいたします

(以下、二階堂暁先生による講演録)

心臓リハビリテーションの定義

 ご紹介ありがとうございました。改めまして、八王子みなみ野心臓リハビリテーションクリニックの二階堂と申します。循環器内科、心臓疾患などを専門に治療する内科医ですが、特に心臓リハビリテーションを専門にしている人間です。

 心臓リハビリテーションというものをご存知か、聞いたことあるぞ、という方はこの中にどれくらいいらっしゃいますか? 嬉しいですね、結構いらっしゃる。ありがとうございます。心臓リハビリテーションについて、イントロダクションとして少しお話をさせていただきます。

 心臓リハビリというと、運動療法をする心臓疾患の治療と思われがちですが、そうではありません。運動療法も1つの大きなコンテンツになりますが、たとえば食事や心理サポート、就労支援や疾病管理なども入ってきます。包括的ともいわれますが、トータルで元気になること。病気を患い、その後日常生活に戻っていくまでをサポートしていく、全体的なプログラムのことを心臓リハビリテーションと呼んでいます。ただ運動するだけではなく、社会的·身体的な相談にのったり、心理的なサポートもしていきます。

 日本では保険診療適用になっています。心筋梗塞の後、カテーテルの治療をした後、心不全、心臓血管の手術後、もしくは大動脈解離とか大動脈瘤の治療をした後、また足の血管の治療をされた後などが該当します。二次予防として、病気をして、その後日常生活に戻る際に運動療法を軸にやっていきましょう、ということを心臓リハビリテーションといっています。

 心臓リハビリテーションのもたらす効果は、大きく分けると3つになります。体力の増進、運動耐用度向上、QOLの改善、心臓疾患の予防や再発予防、再入院の予防など。冠動脈疾患に限ると、動脈硬化の進展予防効果があるといわれています。これらはいくつもの論文で証明されていて、代表的なものを2つ挙げます。カテーテルの治療後の患者さんに対して、運動をした人と運動をしなかった人を比べてみると、運動した人の方がよっぽど事故回避率、再発率が低下しているということが2つの大きな論文として出ています。心臓リハビリテーションは循環器疾患の再発予防や運動機能の改善、そしてQOLを改善するということが学問的にも示されました。これを受けて、日本で、そして世界中で、心臓疾患の治療をされた後は心臓リハビリを受けるのが大切だということが、大義名分をもっていわれているのです。

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