業界の最新情報をいち早くキャッチ!ISSUE フィットネス関連ニュース(2024年6月-日経記事より抜粋)

FIA-NEWS7月号-ISSUE フィットネス関連ニュース(2024/7/12)

 

フェス気分 燃えよ脂肪1000人集い
エクササイズ
「推しの先生」遠征で追う

 フィットネスクラブが音楽ライブのような大規模イベントを相次ぎ開催している。舞台上のインストラクターに歓声を上げ、他の参加者と共にフィットネスバイクをこいだり、格闘エクササイズをしたりして汗を流す。5万円以上するチケットが争奪戦になる例も。見せる工夫や演出の数々は客が運動を楽しく続ける意欲につながるようだ。運営側も熱心なファンを通じた利用拡大に期待を寄せる。

 幕張メッセ(千葉市)で4月に開かれた「ラスター2024」。レディー・ガガ、エド・シーランといった著名アーティストの音楽にあわせ、インストラクターたちが舞台上でフィットネスバイクをこぐ。同じようにバイクにまたがった参加者たちは舞台上から飛ぶ指示を聞き、動作をまねて体を動かす。

「一般的なアーティストのライブ以上の費用をかけた」という照明や音響。立ちこぎで足を速く回して心拍数を上げたり、音楽に浸りながらゆったりとこいだりしていく。出演者と参加者が声を出し合う「コールアンドレスポンス」もあり、80分の公演が終わるころには汗だくになる。

 インストラクターは「この時間は戻ってこない。集中して」「人生を輝かせて」といったメッセージを英語と日本語を織り交ぜて発し、参加者を鼓舞する。バイクを降りてダンスを披露すれば歓声が上がる。

 暗闇バイクフィットネススタジオ「フィールサイクル」を展開するフィールコネクション(東京・中央)が手掛けた。4月の3日間で全11公演、1公演につき1000席近くを用意したが、約1万2000円のチケットは早い公演で発売翌日に売り切れた。

 開業初期からインストラクターを務めるIZUさんは「イベントや普段のレッスン参加を通じてハッピーな気持ちになり、日々を前向きに過ごしてもらえたら」と話す。

 ファンも「推し活」に夢中だ。神奈川県横須賀市の山下愛さんは全国のスタジオでレッスンをするIZUさんを追いかけ、札幌や福岡まで遠征したこともある。「以前の職場で悩んでいたときレッスンを受け元気になれた。どんな環境でも前向きにいられたのはIZUさんのおかげ」と語る。


舞台上のインストラクターと一緒に参加者もバイクをこぐ

 

 セントラルスポーツも2月にイベント「レッスン・イン・ジャパン」を東京都の墨田区総合体育館で開いた。バイク、筋トレ、格闘エクササイズと3種類のイベントを1日で実施。バイクでは一番高い最前列の席を5万5000円で先行販売し、瞬時に完売。インストラクターと交流できる「アフターパーティー」のチケットも売り切れた。

「マセちゃんのレッスンを受けるためなら、東京にも行く」。兵庫県芦屋市に住む50代女性は知人会員ら約30人と共に関西から参加した。普段通っている新大阪駅前店のインストラクター、間瀬有梨佳さんの「晴れ舞台」を応援するためだ。こうしたインストラクターやファン同士のコミュニティーが運動を続ける動機にもなっている。

「充実した施設を提供する努力とともに、いかにお客様に応援してもらえる、意味のある場所にできるかが問われる」。セントラルスポーツ新規開発部のシニアマネージャー、平山智志さんは強調する。

 一般社団法人日本フィットネス産業協会(FIA)理事の古屋武範さんは「フィットネスが顧客を維持するためには体験価値が重要だ。その一つとしてイベントは有効」と指摘する。

(2024年6月1日/日経)

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