フィットネス産業海外市場の今~世界最大のフィットネス展示会FIBOから見えてきたトレンド~

FIA-NEWS6月号 (2024/6/13) 

フィットネス産業海外市場の今~世界最大のフィットネス展示会FIBOから見えてきたトレンド~


会場となったケルンメッセはビックサイトの約2.5倍の広さ
写真提供◎TSO International株式会社

 

 世界最大のフィットネス&ボディビルのコンベンションであるFIBOが、ドイツのケルンにおいて今年も盛大に開催(4月11~14日)された。FIAでは、情報収集や世界各国の関係者とのコミュニケーションを図ってきた経験値から、この一大イベントの大きさのみならず、多様性について注視し続けてきた。

 そこで今号では、今年のFIBOに参加された、SPORTECの代表であり、またスポーツ健康産業団体連合会の会長でもある佐々木剛氏にご登場いただき、貴重な情報を共有いただくと同時に、これからのフィットネス産業の発展のヒントを得たい。
(聞き手◎松村 剛/FIA事務局長)

 


佐々木 剛氏 (TSO International株式会社 代表取締役社長)

 インバウンドの需要増などもあり、多くのサービス産業がコロナ禍からの脱却、そして成長の軌道を描き始めている今日において、フィットネス産業全体としてはいまなお厳しい状況が続いている。一方、同じフィットネス産業に関するグローバルの状況に目を向けると、コロナ禍以降、スピード感をもった再編が進められているように見える。

 アメリカに本部を置くフィットネス産業団体であるIHRSAは、今年度から団体名をHEALTH & FITNESS ASSOCIATIONに変更し、業界団体としての役割や目指していく方向性、そしてステークホルダーに対する概念などを大きく見直し、コロナ禍以降の新たなフィットネス産業の発展性の軌道修正を図った。

 また、フィットネスジム「Orangetheory」と、世界中に展開する「Anytime Fitness」の対等合併による業務提携によって、年間売上35億ドル、50以上の国と地域に約7,000店舗の規模の新たなビジネスモデルが出現するなど、画期的でスケール感のある変化も珍しくないようである。

 日本のフィットネス産業においても、コロナ禍前から続く従来の取り組みを踏襲する流れでは、経営の好転を期待することは厳しいと考えられ、新たな市場の創造という方向に目を向けていく姿勢は、既に必須事項となっているのではないだろうか。

 そうした状況の中で、世界最大のフィットネス&ボディビルのコンベンションであるFIBOが、ドイツのケルンにおいて今年も大きな規模で開催(4月11~14日)された。コロナ禍前においては、FIAもFIBOに積極的に足を運び、情報収集や世界各国の関係者とのコミュニケーションを図ってきた経験値から、この一大イベントの大きさのみならず、多様性について注視し続けてきた。

 このコンベンションの特徴は、まず開催がドイツ、つまりヨーロッパであるということ。ヨーロッパはユーラシア大陸の西側の広大なエリアであるが、アジアとも陸続きである。ヨーロッパ、アジアの広大なフィットネス市場には、民族や文化の多様性を背景として、フィットネスというサービス提供においても多様性があり、FIBOはそれらが一堂に会する奇跡的なショーケースと位置付けられる。

 今年開催されたFIBOの状況はどうだったのか。そこから見えてきたフィットネスの新しいトレンドはどのようなものか。そして、日本のフィットネス産業がそうしたトレンドから学べることとはどのようなことか。さらには、実際にフィットネス事業に取り組まれている皆様の事業発展の種(シード)となるような原石はあったか。

 そこで今号では、今年のFIBOに参加された、日本のフィットネス産業を牽引する重要な役割を担うSPORTECの代表であり、またスポーツ健康産業団体連合会の会長でもある佐々木剛氏にご登場いただき、貴重な情報を共有いただくこととなった。佐々木氏のこれまでの経験値、立ち位置、そして視座をもって「見て・感じられた」貴重な情報から、これからのフィットネス産業の発展のヒントが得られれば幸いである。

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